今回のお題は中島みゆきさんの「歌姫」です。
これは1982年発売のアルバム「寒水魚」の最後に収録されていた名曲です。
【問】下の歌詞を英訳しなさい。
せめて お前の歌を安酒で飲み干せば
遠ざかる船のデッキに立つ自分が見える
【解答例】
Only when gulping down your songs with drinks
I can still see myself standing on the deck of a ship sailing away
Only when~ ~の時だけは
gulp down ~をゴクリと飲む。~を飲み干す
~を飲み干す drink down, drink up, finish
go away 離れていく
walk away (歩いて)離れていく
run away (走って)離れていく
fly away (飛んで)離れていく
sail away(船が、船で)離れていく
Only when gulping down 接続詞を残した分詞構文
see myself standing 知覚動詞
a ship sailing away 現在分詞の後置修飾
(別解 無生物主語の文)
Just drinking your songs down with cheap drinks makes me feel as if I were standing on the deck of the ship going away.
【考察】
日本語を母国語とする者ならば気づいているとは思いますが・・・
「お前の歌を安酒で飲み干せば」の部分・・・
普通の表現であれば「お前の歌で安酒を飲み干せば」のはず。
そこを、作詞家中島みゆきは、「で」と「を」という助詞を敢えて逆にして使っているわけです。所謂、「破格」の文体です。
日常的な場面で通訳する時は「お前の歌で安酒を飲み干せば」に直して処理した方がいいと思いますが、この場合は、中島みゆき方式でいいと思います。
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